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酷道157号線を走ってみた

  ◆ 「日本最凶酷道。”落ちたら死ぬ!” 国道157号線温見峠を走ってみた」 ◆

                                                         2012年 11月 4日(日)




【 酷道とは? 】

一般的に『国道』と言われれば道路の花形と言っても良いように、2車線以上&歩道付きという幹線道路というイメージだが、
ここで言う『酷道』とは、読んで字のごとく『ひどい国道』。 つまり国道なのに国道らしからぬ道路の通称なのだ。

定義としては様々にありますが、自動車教習所にてクランク実習が苦手だった人にはオススメ出来ない道路ですww

安易な気持ちで行くと良くて車に傷が付き、最悪の場合には自分の生死にも関わります。



【 国道157号線とは? 】

石川県金沢市むさし交差点~岐阜県岐阜市までを結ぶ全長約200kmの一般国道。

 

石川県内では武蔵が辻・南町・香林坊・片町といった北陸最大の繁華街や金融街を通り県内随一の交通量を誇る。
また、金沢市から白山麓へ続く道路として国土交通省指定区間にもなっており主要幹線の1つになっている。
その後、手取ダムを横目に見て福井県勝山市・大野市を経て岐阜県に繋がるのだが・・・

福井県大野市熊河地区~岐阜県本巣市根尾能郷地区まで約70kmの区間の道路状況がトンデモナイ道路になっている。
道路ファンには超有名な道路だが、あまりに危険すぎることと大規模災害の影響を受けて2004年から県境付近が
通行止めになって以来、今日まで約7年間も閉ざされた開かずの国道でした。しかし、その封印が2012年10月に開放された!



■ とりあえず、走ってみた。

前置きが長くなりましたねw
ようするに、「運転してみたら楽しいんじゃね?」という安易な気持ちで思いつきドライブに出掛けた訳ですw

 

おはようございます!午前6時、国道8号線から分かれて石川県白山市の国道157号線鶴来バイパスです。

訳あって早朝出発になったわけですが、あまりにも早朝すぎて起点の金沢市武蔵が辻を出発したときは真っ暗orz
日の出となったここからレポはスタートです。国土交通省指定区間なので片側2車線の快適バイパス道路です。



やがてバイパス区間は終わり、白山麓に繋がる一般的な道路になります。
白山スーパー林道や各スキー場に繋がることもあり石川県内区間はたいしたことは無いです。それにしても紅葉が綺麗だな~



石川県の最端、白山市白峰地区(旧白峰村)まで来ました。白山への登山口ですね。



県境の谷トンネルを抜けるとそこは福井県。
だが、ここで最初のトラブルに巻き込まれた・・・それが、タイヤのスリップ!!思いっきり滑った~!?

な、なんだ!?どうしたんだ・・・



メーターを見ると外気温が『0度』・・・だと?
早朝の白山麓。しかも、晴天の早朝ともなればこの気温になるのか・・・雪は降ってないけど凍結してたんですね。

雪国北陸とはいえ冬タイヤには早過ぎるので、当然まだノーマルタイヤ装着。



自分で言うのもなんだが「こんなんで本当に大丈夫か?」

不安になってきた。ま、まぁ何とかなるさ!晴れてきたし、紅葉も綺麗だし(←関係ない) 大丈夫だよ! た、たぶん



福井県に入り勝山市・大野市街地を抜けます。ここも片側2車線の快適道路です。
そして、国道158号線との交点。ローソン大野春日店にて休憩&お買い物。

たぶん、R157福井県側では最後になるコンビニ&トイレ休憩出来る場所だと思います。
食料調達とトイレはお早めに。ということで、眠気覚ましに缶コーヒーとガムを購入して先へと進みます。

この先からいよいよ山道に入っていくのですが・・・



「引き返すなら今のうちだぞ?」と言わんばかりの警告看板の数々・・・w
ちなみに、まだ片側1車線の普通の国道です。



おや?あの電光掲示板は・・・



最終警告キター! もう、ここまできたら後戻りは出来ない。覚悟を決めていざ酷道区間へ



そして、車線は1車線になった・・・

 

おまけに、まさかのダート(未舗装)区間まで・・・



・・・かと思ったら、再び2車線区間に。どうやら福井県側は着々と路線改良が進んでいるみたいです。



それにしても、標高が上がるにつれて紅葉の度合いが増してきましたね。あと野生のニホンサルがやたら多い!www



なんか、拍子抜けだな・・・こんなものか、国道157号線。



岐阜市まで78km。県境の温見峠までは10kmかぁ・・・なんだ、思ったより遠くないのね。
・・・しかし、”日本最凶酷道”にそんな甘い考えは通用しなかった。



快適だった2車線道路はバイパストンネル工事現場で突然終わりを告げて・・・



国道・・・いえ、酷道区間スタートです。



うんうん、これこれ!この林道みたいな1本道に不釣合いな国道標識。この光景に萌えるんだよね~



しかし、道路はこんな感じなのに国道標識だけは立派なんですよね



おや?あれは・・・



おぉ!これが、かの有名な拉げた国道157号線のおにぎりか・・・たぶん、雪の重さでこんなのになるんですね。

 

道幅は狭いですが、福井県側には通称:温見ストレートとファンの間で呼ばれている気持ちの良い直線区間も。
1970年まではこの地にも西谷村という小さな村がありましたが、過疎化や交通難所・超豪雪地域ということもあり
同年1970年6月30日全離村し廃村になった集落跡地です。現在でも元住民やその子孫が畑作をするため訪れているみたいです。

 

相変わらず道路は酷いですが、絶景の紅葉と青空を独り占め!なんて、気分が良いことでしょう。



福井県側は道路は狭いですが、ゆっくり走ればなんとかなりそう。それでも初心者にはキツイかな?
おっ、いよいよ目的地の温見峠が見えてきましたよ!



愛車インサイトで一気に駆け上がります。しっかし、何度も言いますが紅葉が綺麗だ。
福井県側最後の難所、温見峠へと続く罅割れた舗装のヘアピンカーブを上り終えると・・・



おっ、頂上が見えてきたぞ!?

 

福井・岐阜県境「温見峠」にキター!!

国道ファンなら一度は訪れてみたいある意味聖地に来られて感慨深いです。



ここ温見峠からは能郷白山(標高1617m)へ続く登山道もあり早朝にも関わらず多くの車が停まっていました。
ちなみに、丁度このあたりが日本海側と太平洋側の分水嶺になっているらしいですよ?



さて、これから岐阜県側を下って行くわけですが酷道157号線が本気で牙を向けるのはむしろここから。
福井県側なんて小手試し、序の口ですよ?それを物語るように看板もご覧の通り・・・って、ん~?



※福井県側の警告看板

・・・この警告看板なんか意味あるのか? どう考えてもココまで大型車で来れないんだから必要か?これw



野暮なツッコミは止めて一路、岐阜市を目指して温見峠を下ります。

 

やはり、山頂近くになると紅葉も最高潮ですね!これだけ見れるだけでも満足です♪と、浮き足立っていると

 

酷道157号線の試練が次々と襲ってきた!? あれは・・・水溜り?

 

違う!これ、川だ!!道路に川が流れてるぞ?オイ



国道を川が横切る通称”洗い流し”

国道157号線の岐阜県側ではこのような場所が3~5箇所ほど存在します。
水溜りではありません。川です!そんな自然と一体化した場所を越えて行かなければなりません。

 

そして、岐阜県側を進めば進むうちにどんどん道幅は狭く、過酷に・・・



”洗い流し”ではない橋もごらんの有様。これ、増水時には”洗い流し”になる・・・よね?



くどいようですが、ここは国道157号線です! まるで「忘れんなよ?」と言われているみたいに自己主張する国道おにぎりw



無人化した廃村跡を通り抜けると・・・



目の前にゲートが・・・あ、開いている。

ついに7年間にも及ぶ国道157号線の通行止封印が解かれたのだ。日本最凶とも言われる酷道とは一体・・・
恐る恐る、でも内心ワクワクしながらゲートを越えて先へと進む。そして、驚愕する。

路肩注意!

『この先、転落事故現場。スピード落とせ!』

・・・なんとも物騒すぎる看板に出くわしてしまった。”路肩注意”ではない。”転落事故現場注意”だぞ?
だが、数メートル進んでその意味を初めて理解することになる。

路肩注意!

な・・・・な、なんだ・・・これ!? まさか、ここを通れと?

路肩注意!

右も左も断崖絶壁。道幅もギリギリまで狭い状態で、脱輪なんかしようものなら深い谷底まで真っ逆さま・・・

路肩注意!

あのぅ・・・本当に運転ミスったら冗談抜きで命の保障はありません。これはマジで怖い・・・

うわっ、スゲー高さだ・・・

谷底を見る勇気も余裕もなかったので、右の崖を見上げると・・・ひぇ~~~、こっちも怖いわ!!
ちなみに、ここが7年間も国道157号線が通行止にされた要因。この場所で大規模な崩落が起きて道路が寸断されたみたい。

そうか、これを通称”グランフォルテ”と言うんですね?(違っ)



冗談を言っている場合じゃなかった!こんな道が永延と数十kmも続きます。



紅葉シーズン+久々の通行止め解除とあって名古屋方面からの対向車が多いこと、多いこと・・・何度、命がけの擦違いしたことやら



そんな凄まじい道を走ること約1時間。おっ?なんか、看板が見えてきたぞ?

 

酷道区間を抜けた~!! そこに立っていた看板は・・・

 

『落ちたら死ぬ』

国道157号線名物看板ですね。普通は「路肩注意」とかオブラートに言うのに、ここは直球ストレート。
ただ、この看板は脅しでも何でもないです。あれはマジで落ちたら死ぬよ!!



岐阜県側にも最終警告の看板が。「考え直すなら今のうちだぞ?」と言わんばかりの主張ぶりですw



7年間も閉ざされていた通行止めゲートが開いて封印が解かれた国道157号線。
いやはや、噂には聞いていましたが噂通りのトンデモナイ国道でしたね!ごちそうさまでした。



さて、一気に山を下りて岐阜市街地へ向かいましょうか。



数百メートル下って集落が見えてくれば、ここから再び国道157号線は2車線区間に戻ります。
福井県側から来たので言えますが、岐阜県側にはUターン推奨する看板が多数設置されていました。まぁ、あの道じゃね



本巣市を経由してようやく岐阜市内まで来ましたよ!徐々に交通量も増えてきて市街地まで来た感がありますね



国道157号線は岐阜駅前方面に向かうらしいので、ここを右折か・・・

 

そうそう、岐阜ってJR岐阜駅と名鉄岐阜駅があるんですね!
ここに一昔前まで路面電車の岐阜駅もあったのか・・・そういえば道路が少し広いような気が・・・

正直、岐阜駅ってJR使っても通過駅だったのでこうやってじっくり見れたのは良かったかも?



岐阜駅を過ぎてJR高架橋を潜ると国道157号線の終点まであと少しです。



国道157号線はここ岐阜市の国道21号線交点の交差点が終点となります。あ、前方のあの交差点ですね?



石川県金沢市の武蔵が辻交差点から約200Km。
ようやく岐阜市の国道157号線終点に到着しました!これにて、国道157号線完全走破です!

それにしても、金沢岐阜の両市街中心部を走ったり温見峠の酷道区間もあったりドライブしてて大変面白い道路でした。
久々に通行止め解除された温見峠の区間はこのあと冬季は再び通行止めになります。

酷道・・・なかなか興味深いですね。


■ ・・・って、あれれ?



また、何処に行っているんですか!?のぞみんwwwwww

国道157号線走破の翌週、冬季通行止めになる前にまた行ってきたみたいですよ? つづく・・・のか?


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